未成年が対象の20歳前障害年金
- by shijos
年金制度は20歳以上の人であれば必ず入らなければなりません。
障害年金を受給する際もしっかりと保険料を支払っているかが問われ、支払っていなければ受給対象外です。
ところが20歳になっていない人で受給対象となる障害を抱えた場合、保険料を支払いようにも年金制度の対象外であるためこのままでは年金を手にできません。その場合に存在するのが20歳前障害年金です。
この制度により年金保険料を支払っていない段階でも障害年金を受け取れます。
目次
◯20歳前障害年金って?
この制度は20歳を過ぎてから支給が始まります。
障害認定日は初診から1年6カ月以上経過している場合には20歳になったタイミング、1年6カ月経過していない場合には1年6カ月経過してから障害認定日を迎えます。
子供のころから障害を抱えている人などは20歳の誕生日を契機に年金を手にできます。
行政などはこうした年金が受け取れるなどのお知らせはしません。
これは障害者手帳が付与される障害の基準と障害年金が支給対象となる基準が違うため、あなたの障害なら対象になるなどのことを自治体で判断していくのは大変という理由も存在します。
ただ特別支援学校に入っていた人などはその学校の先生などから年金の存在は聞かされています。
特に親はこうした話を熱心に聞かされているため、20歳になったら手続きをしなければならないとわかっていることがほとんどです。
一方で事故の影響で障害を抱えた人は意外とこうした事実が抜けてしまうことがあります。
障害者手帳をもらうほどの障害を抱えている人は自分も対象なのではないかと調べてみることがおすすめです。
請求しなければもらえないため、たとえ空振りに終わったとしても請求してみて損はなく認められればかなり楽です。
◯実際に貰える金額はどれぐらい?
実際に貰える金額は1級と2級で違います。
平成29年4月からの基準では1級は77万9300円の1.25倍プラス子の加算、2級は77万9300円プラス子の加算です。
子の加算では第1子と2子までで1人あたり22万4300円、3子以降は7万4800円です。
これらの受給額は通常の障害年金の受給額と変わりません。
また障害の認定基準も同じで、両方の上肢もしくは下肢に著しい障害が認められれば1級で片方であれば2級となっています。
また矯正した視力が両目合わせて0.04以下は1級、0.08以下は2級などの基準が用意されています。
これとは別に精神障害や内部障害でも認められることがあります。
◯世帯で一定の所得があると半額ないし全額停止
実際に適用する際の注意点は未成年の時に正社員などで働いていて厚生年金を納めていた場合です。
この場合は対象にはならず、障害厚生年金が対象です。
これは厚生年金を支払っているときに事故で障害を負った場合が対象であり、働く前から障害を抱えている場合には対象とはならずに20歳前障害年金の扱いです。
また所得制限があり、世帯で一定の所得があると半額ないし全額停止という扱いになってしまいます。
所得制限があるのは保険料を支払っていないことが背景にあり、通常のように保険料の支払いがある場合にはこうしたことはありません。
◯少年院に入る、あるいは日本国内に住んでいない場合
所得制限以外で支給が停止されることもあります。
例えば少年院などに入ることになった場合です。
未決拘留中であればまだ支給停止になりませんが、処分が決まれば支給停止です。
また日本国内に住んでいない場合も支給停止となってしまうため注意です。
障害が改善されて支給対象から外れるほどになっても支給停止の扱いを受けます。
受け取り始めると定期的に障害状態確認届の提出が求められ、この内容で支給停止などの判断が下されます。
改善の見込みがないようなものでも等級を切り下げるケースも出ています。
そのため提出の際には医師としっかりと相談する必要があります。
◯審査の請求と支給停止事由消滅届の提出
このような形で一度支給停止になっても再び支給されることもあります。
まずは審査の請求と支給停止事由消滅届の提出を行います。
この2つは別々で行われ、審査の請求に時間がかかっても支給停止事由消滅届の精査で支給が復活すればそれで十分です。
審査の請求で1年近くかかることもあるため、同時に提出することが大切です。
少年院に入っていた人は少年院から出てきたことをそこに記すとか国外に住んでいたけど再び国内に戻ってきたなどの理由で提出できます。
症状に関しても再び診断書を出して、年金をもらわないといけない状況であることを証明していきます。
従来のやり方とは違う部分もありますが、基礎的な部分は同じです。あとは所得制限の問題だけです。
1人暮らしで生活するには少ない一方、家族で生活していれば軽く超えてしまうことも考えられます。
確実に受け取るためにはそのあたりの調整も必要です。
また審査請求を自分たちだけで行っても結局は跳ね返されてしまうだけなので、弁護士などに依頼して審査請求をしてもらうことが必要です。
その際にはこうした年金に関して知識もあって審査請求をよく請け負っている人に任せることをおすすめします。
最終更新日 2025年5月20日 by shijos
年金制度は20歳以上の人であれば必ず入らなければなりません。 障害年金を受給する際もしっかりと保険料を支払って…